米メタ、1兆円の赤字でメタバース普及への礎となるか

フェイスブックから社名を変更したメタ(Meta)は、四半期決算が前年同期比5%減の103億ドル(約1兆1800億円)で投資家を不安にさせ、株価は時間外取引で20%以上急落した。

メタは、文字通り「メタバース」の世界を構築し、普及のために多大な投資を続けている

社名をメタに変更した同社は、従来のソーシャルネットワーク事業から、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を通じてアクセス可能なデジタル空間の「メタバース」と呼ばれるコンセプトに移行しようとしている。

メタバースの定義は諸説あるが、ゲームのような3Dの仮想空間上に自分自身を模した「アバター」というキャラクターで突入し、他のアバターとコミュニケーションをとったり、仮想空間内で使えるアイテムを購入したり経済活動を行える、現実と繋がるもう一つの世界とされている。

これは大胆な事業転換だが、CEOのマーク・ザッカーバーグは、フェイスブックを見捨てた若い世代を引き寄せるために必須の戦略だと考えている。

CEOマーク・ザッカーバーグ氏は、自らを模したバーチャルキャラクター「アバター」となって世界中へプレゼンテーションを行うパフォーマンスも

メタは、メタバース事業こそ赤字で投資部門であるものの、広告部門の売上は第4四半期の収益の大部分を占める326億ドルで安定している。

メタは当分の間、従来の広告事業に依存し続けることになる。

今回の四半期決算で、同社は初めてメタバースプロジェクトのパフォーマンスとコストについて、詳細に説明した。「今回の四半期決算で、同社は初めてメタバースプロジェクトのパフォーマンスとコストについて、詳細に説明した。」と呼ばれるこの部門の売上は8億7700万ドルだったが、損失は前年同期比約60%増の33億ドルだった。 リアリティラボの売上は、主にVRヘッドセットの販売によるものだ。

メタは2021年、リアリティラボ(RealityLabs)に10億ドルを投資。そんなリアリティラボは昨年約2.27億ドルを稼いだという

2021年通年のリアリティラボの損失は、前年比50%増の101億ドル(約1兆1550億円)だった。

メタバースの構築に向けては、膨大なコストが発生することが明らかであるが、メタは、この未知の可能性を秘めたメタバース市場の開拓へ一石を投じている。

スナップチャットが新たにリリースした、アバターのような顔になれるARフィルター「Avator」

また、スナップチャットを運営するSnapも同様の計画を進めているほか、マイクロソフトも1月にメタバース計画の一環として、ゲームメーカーのアクティビジョン・ブリザードを約700億ドル(約8兆円)で買収すると発表した。

世界トップクラスのゲームメーカーである「Activision Blizzardアクティビジョン・ブリザード)」の
マイクロソフトによる買収は業界を騒がせる大ニュースとなった

メタバースの天下は、一体どのプラットフォームが勝ち取るのだろうか。

(参考)Forbes

1 thought on “米メタ、1兆円の赤字でメタバース普及への礎となるか

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です